SDGsプロジェクト
ストーリー
個人の知識・才能を生かし、より良い地域社会をめざす活動に取り組む「鹿Rokuプロジェクト」


世代間のデジタル格差解消や学生への実践的社会経験の支援などを展開
一般社団法人鹿Roku(ロクロク)プロジェクトは、個人が持つ知識や才能を生かし、より良い地域社会の実現をめざす団体です。現在は主に、デジタル格差解消のための交流活動と、大学生が実践的な社会経験を積むための支援の二つの活動をメインに行っています。
鹿Rokuプロジェクトの発起人で代表理事の錦織 慈照(にしこり じしょう)さんは、現役大学生。2024年9月に「DIN(Digital Inclusion Network)」という名称で活動を開始し、2025年3月に任意団体として鹿Rokuプロジェクトを設立、同年9月に法人化しました。現在は6人で運営しています。
家庭内でデジタル格差を感じたことがきっかけに
もともと鹿Rokuプロジェクトは、デジタル格差解消のための交流活動「DIN」から始まりました。この活動は、錦織さんが2024年9月に参加した、24歳以下の高校生・大学生創業体験プログラム「Sta-sh(スタッシュ)06」での話し合いから生まれたものです。DINの初期メンバーはいずれも同企画の参加者でした。
「デジタル格差について課題を感じたのは、家庭での出来事がきっかけでした。母が祖父にスマホ(スマートフォン)を買ったのですが、使い方が分からなかった祖父は、母に誤った送信を続けてしまい、母は祖父にスマホを使うのをやめさせてしまいました。もし祖父がスマホを使えるようになっていたら、もっと家族や友人知人と接し、コミュニケーションの機会が増えたのではないかと感じたのです」
自分の祖父と同様に、スマホ等のデジタルデバイスの使い方が分からないシニア層も多いのではないかと感じた錦織さんは、デジタル格差解消の必要性をより強く考えるようになります。そこで「Sta-sh 06」で錦織さんが事業を提案し、その賛同者によって事業がスタートしました。
「デジタルデバイスを使わないシニア世代のコミュニティと、デジタルデバイスを当たり前に使っている若い世代のコミュニティとの間で断絶があり、それにより文化や技術の継承に支障が出ていると考えました。世代間交流を進めることで、デジタル格差を解消すると同時に、文化・技術を後世へ継承することにつなげたいと思っています。また若者にも、自分たちも地域社会を構成する一員だという意識を醸成するのも狙いです」

シニア層にも日常の中にデジタルデバイスの選択肢を増やしたい
鹿Rokuプロジェクトの主活動の一つである、デジタル格差解消のための交流活動「DIN」。2024年から始まったこの取組は、主にシニア層に向けた、デジタルデバイスの活用についての講座やデジタルデバイスを通じた交流会などの開催、会員制のサポートサービス「せとうちデジタル倶楽部」の運営などをしています。
世代間交流をテーマにしているため、講座の指導者や交流会・サポートの運営は、学生が主体で行っています。コンセプトは「学生が創る、世代を超えた一つの輪」です。最初は交流センターや交流館での「デジタル麻雀交流会」から始まりました。
「私たちがめざしたのは、シニアの方々に、若者が日常的に行っているデジタルコミュニケーションに慣れてもらうこと。講座をすることだけが目的ではありません。普段の生活の中で、デジタルデバイスを活用してほしい。それによって、暮らし方の選択肢が増えることを実感してほしいのです。そこで、親しみやすいデジタル麻雀を切り口にしてみようと思い至りました」
現在では、市内の複数の地区でデジタル麻雀交流会を開催しています。定期的に開催を続けており、リピーターも多いそうです。参加者からは、実際に交流館等に集まることなくデジタル麻雀を楽しんだり、メッセージアプリを通じてやり取りを行ったりなど、日常の中でデジタルデバイスを使用してコミュニケーションをとる機会が増えたという声も届いています。
事業として関わって主体的に動くことで、有益な「ガクチカ」に
もう一つの鹿Rokuプロジェクトの活動が「鹿Roku.tech」です。主にIT系の技術を持ち、将来IT業界への就職を希望する大学生が、実践的な社会経験を積めるよう支援を行う活動です。
「現在は、ホームページの制作業務がメインです。仕事の依頼を受け、コーディングなどのホームページ制作、公開後の保守・メンテナンスまでを学生に行ってもらっています。実際の事業として経験を積むことにより、就職活動でのいわゆる『学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)』へつなげることが狙いです」
これは、もともと錦織さんの大学で、周囲に「ガクチカ」についてどのようにすればいいのか悩んでいる人が多かったことが、活動の始まりだそうです。
「アルバイトやインターンとの違いは、『事業』として経験をすること。事業なので、主体的に動く経験を積めます。ここが鹿Roku.techの大きなメリットです」
現在、営業活動は錦織さんが行い、制作や保守等を学生が担っています。実際に制作したホームページを見て、依頼者からは「学生とは思えないクオリティだ」と喜ばれているとのことです。今後は、営業活動も学生中心に移行する予定です。

有償での活動にこだわり、学生に「お金をもらう責任感」を身につけてもらう
錦織さんは活動を展開するうえで、必ず有償で行い、「事業」として取り組むことにこだわっています。
「DINにおいても、鹿Roku.techにおいても、学生には『お金をもらってその期待に応える』という経験や責任感を、肌感覚として体験し、身に付けてもらいたいと思っています」
また鹿Rokuプロジェクトは「地域社会のためになることであれば、自分たちにできることは幅広く挑戦していこう」というコンセプトも掲げています。
「法人化したのは、事業として続けていく覚悟を見せ、信用を高めるため。今後は、もっと幅広い分野で活動をしていきたいです」と錦織さんは意気込みます。新たな活動として、企業と連携した学生のインターンの仲介、企業へのAI活用支援などを考えているそうです。
またSDGsの活動の良い点について、網羅性があることだと錦織さんは感じていると話します。
「網羅性があるということは、誰にだって何かしらできることがあるのではないでしょうか。SDGsの活動に取り組むことで、社会にプラスになるとともに、自分たちも成長できると思います」


- 一般社団法人鹿Rokuプロジェクト
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鹿Roku(ろくろく)プロジェクトは、個人が持つ知識や才能を最大限に活かし、社会に新たな価値を生み出すプロジェクトを立ち上げ、その自立と発展を支援するために生まれた団体です。
一人ひとりが持つ“可能性”を、“社会を動かす力”へと変えていく──そんな未来を信じ、私たちは、地域社会や多世代にわたる人々とのつながりを大切にしながら、多様なプロジェクトを展開しています。WEBサイト
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